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LPS養殖動物試験

ギンザケにおけるビブリオワクチン効果の増強

LPS素材が水産養殖現場での感染防御のための画期的な機能を持つことを示すデータが蓄積されつつあります。

今回は、LPS素材(パントエア菌LPS;IP-PA1含有)を含む飼料を使い、水産養殖におけるワクチン効果の増強について調査を行ないました。ギンザケを使ったビブリオワクチンに関する試験です。試験条件は下記の通りです。

【試験実施場所】
岩手県C水産(淡水飼育)
【供試魚】
ギンザケ
【試験実施期間】
2009年6~11月
6月中旬:全魚にワクチン接種
9~10月:試験区にLPS素材配合飼料給与(魚体重150~180g、水温:13~8℃)
11月中旬:採血して血清分離
【ワクチン】
ピシバックビブリオ
【給与パターン】
魚体重1kg当たり0.1g飼料(IP-PA1;6μg)/日を3日給与4日無給与を1クール
【判定】
抗原に対する凝集抗体価

試験の結果、ビブリオワクチン接種後にLPS素材配合飼料を給餌することで、2種類のビブリオに対する抗体化が顕著に高まっていることが示されました。

図1 ワクチン効果の増強(ギンザケ・ビブリオ)

図1

次に、LPS(パントエア菌由来;IP-PA1)を経口投与した場合の、アユ冷水病に対する感染抵抗性についての実施例を示します。試験条件は下記の通りです。

【試験実施場所】
広島県水産試験場(同水試報告書引用)
【試験区分】
対照区:ワクチン単用区
試験区:IP-PA1+ワクチン併用区
【試験方法】
(供試魚:アユ)
(1)対照区:IP-PA1無添加飼料給与。
試験区:IP-PA1を20μg/魚体重1kg/日となるように飼料に混合し2ヶ月間毎日連続給与。
(2)ワクチン接種方法:冷水病ワクチン(不活化菌)で浸漬処理
(3)人為感染方法:河川水で冷水病に自然感染
【効果の判定方法】
有効率の比較により判定
有効率:対照区の斃死率を元にワクチンの有効性を判定する方法
有効率(%)=[1-(対照区or試験区+対照区の斃死率/対照区の斃死率)]×100

図2 ワクチン効果の増強(アユ冷水病)

図2

試験の結果、ワクチン単独よりも、LPSを給餌したアユでの感染抵抗性が高いことが示されています。

※この記事は、当社の研究成果に関する学術的な情報を提供するものです。特定の製品の効能・効果を宣伝、広告するものではありません。解説者の許可なく、商業目的として転載することや、内容に変更を加えたり、複製を行うことを禁じます。

研究レポート 目次
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