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かげ

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植物発酵LPS物語

3人のマクロファージ博士

2006年7月、まことに小さな会社が、四国は香川県の高松市に設立されました。

名前は「自然免疫応用技研株式会社」。その名の通り免疫に関する研究や製品の開発を目的とする会社です。この小さな会社を作った私たちは、元は大学で免疫の研究に取り組んでいた研究者です。

そんな私たちが起業しようと決意したのは、食べる事で免疫活性化を実現するLPSという物質と出会い、長い時間をかけて調査と研究を続けた後、世界で初めてLPSを利用した機能性素材を完成したからです。それが「植物発酵LPS」です。

私たちがLPSと出会い、これを「植物発酵LPS」としてデビューさせるまでには、長い物語があります。その始まりは、私たちの身体の中にあるマクロファージという免疫細胞を活性化する物質を、私たちが普段から口にしている食べ物の中から探すという研究からでした。1988年の事です。

1.健康の番人「マクロファージ」とは・・・

「健康のために免疫力を上げる」という言葉を良く聞くと思いますが、これには、私たちの体中に分布するマクロファージという免疫細胞が大きく貢献しています。マクロファージは人間に限らず、どんな下等な生物にも存在しています。つまり、地球上のあらゆる生命を守るために、中心的な役割を果たしているのが、マクロファージという細胞なのです。

マクロファージは、私たちの体内のあらゆる組織に存在して様々な仕事をしていますが、その特徴的な機能として第一に上げられるのが「貪食」です。「どんしょく」と読みますが、字のごとくマクロファージは貪り食べる細胞です。マクロファージが食べるのは、体の中の老廃物や、自分自身の死んだ細胞、侵入してきた病原菌など、いずれも健康を脅かす元になるものです。

その他にも、身体の内側や外側の傷を治したり、神経の修復をしたり、体内の免疫機能のコントロールを司ったりと、健康を維持する上で極めて重要な役割を担っています。風邪やインフルエンザなどの感染症を防いでくれるのもマクロファージ、アルツハイマー病の原因とされているアミロイドβの除去を行うのもマクロファージ、腎臓結石を除去してくれるのもマクロファージと、書き始めればきりがないほど、マクロファージは働いてくれています。

つまり、マクロファージが正常に機能しているかどうかで、私達の健康状態は大きく左右されると言っても過言ではないのです。

ところが、マクロファージは歳をとったり、ストレスを受けたりすることで弱くなってしまいます。ストレス社会とも言われる現代では、多くの人のマクロファージが、最大限に機能していない可能性はじゅうぶんにあります。そこで私達は、マクロファージを活性化できる物質を、普段食べている物の中から探すことにしたのです。

2.マクロファージを活性化する食べ物を探す・・・

「普段食べている物の中から探す」という意図は、いくらマクロファージが活性化しても、食べて安全でなければ意味が無いからです。その点、普段食べているものから探せば間違いがありません。

それからというもの、私たちは幾種類もの食品の成分を使い、マクロファージの活性化の実験を行ないました。そしてある時、私たちは小麦粉の中にマクロファージを活性化する物質があることに気づきました。さらに研究を進めた結果、実はそれが小麦そのものではなく、小麦に共生しているパントエア菌という微生物の一部分の物質であることが分かったのです。

その物質名は「リポポリサッカライド」、略してLPSと呼ばれる物質でした。

このLPSを、動物に食べさせると、色々な疾患に対して改善効果が見られました。その反面、副作用や毒性などは全く認められず、食用として正に理想的な免疫活性化物質を見つけたことを、私たちは徐々に確信していきました。

3.身近にあるLPS・・・

LPSと言う言葉は、あまり聞き慣れない言葉だと思いますが、実は私たちの暮らす環境の中には、大変身近にあるものです。私たちは、小麦粉の中にLPSを見出しましたが、野菜や穀類には必ず微生物由来のLPSがくっついており、薬用植物から作られる漢方薬中にも多く含まれています。また、海草類や柿渋や発酵茶など地方の伝統的発酵食品の中にも含まれていることがあります。

つまり自然の豊かな場所に住み、そこで取れた野菜や果物を食べている人は、気づいていないかもしれませんが、LPSを自然に摂取しているはずなのです。

逆に近代化し、衛生的と言えるような場所では、微生物も少なくなり、おのずとLPSの量も少なくなります。もっとも、目に見えないほどの微生物の、そのまた一部分ですから、肉眼で確認することはできませんが、特に先進国でのLPS量はかつてに比べて大幅に減っています。そして、現代病とも言われるアレルギー疾患の急増は、LPSの摂取の低下とも深く関わっていると考えられています。

4.LPSが減り、アレルギーが増えた・・・

ヨーロッパ地域での膨大な数の疫学的調査を経て、ミュンヘン大学のエリカ・フォン・ムーチウス博士らの研究チームは、アレルギーに関する興味深い研究結果を発表しました。それは、田舎に住む子供と都会に住む子供では、田舎に住む子供の方がアレルギーの発症率が低く、その原因が、環境中のLPS量の差によるというものでした。

家畜などの動物や植物などが多い田舎の環境では微生物も多く、環境中のLPSも多いのです。そうした環境で育った子供は、体内の免疫機能が発達する幼児期から、LPSと接触してマクロファージの活性が高くなる機会が多くなり、その結果、アレルギー体質になりにくい免疫のバランスになるというのです。

日本でも半世紀前までは、LPSが多く存在するような環境でした。しかしその後、時代と共にLPSが減っていく環境へと急速に変わって行くのと反比例するように、アレルギーを持つ人の数が急増しています。

ムーチウス博士の研究成果からも、LPSが環境から与えられる優れた免疫活性化物質だったことが分かります。こうして、環境中のLPSに触れる機会がどんどん減少していく時代背景の中で、私たちは、安全に口にすることができるLPSと出会ったのです。

5.自然免疫とLPS・・・

ところで、私達がLPSに出会った当時には、なぜLPSがマクロファージを活性化するのか全くわかっていませんでした。ところが、1997年に、マクロファージにLPSをキャッチするレセプター(受容体)が存在することがわかりました。さらにLPSがこのレセプターにくっつくと、マクロファージの機能が活発化し、さらにその情報が体中の他の細胞にも伝わって体全体の免疫力が活性化されることまで明らかになってきたのです。この全体のしくみを「自然免疫」と呼びます。

自然免疫のしくみは、どんな動物にも共通しています。そして動物だけでなく、植物でも共通であることがわかってきました。

マクロファージを活性化する物質として見つかってきたLPSは、自然免疫という全ての生物に共通してからだを守る重要なしくみを活性化する物質であったのです。

6.そして植物発酵LPSの誕生・・・

さて、私たちとLPSとの関わりは20年を超えます。その大部分はLPSの機能や効果、食品としての安全性を確認するための調査と研究に費やされました。そして現在、「植物発酵LPS」として市場化しています。「植物発酵LPS」は、植物に共生する菌を発酵の技術で培養してできたLPS素材という意味で、その第一号は、小麦に共生するパントエア菌でつくった「小麦発酵抽出物」です。

第一号「植物発酵LPS」である「小麦発酵抽出物」については、外部機関に依頼して安全性の試験を徹底して行いました。大量に食べた時に危険性はないか、長く食べて成長に異常はないか、臓器に異常が見られないか、皮膚につけたとき、目に入れたとき刺激がないか、突然変異を引き起こさないか、染色体異常を起こさないか…。小麦発酵抽出物は、こうした厳しい安全性試験をクリアして、ようやく世の中に提供できる日を迎えたのです。

そして2006年7月、まことに小さな会社が、四国は香川県の高松市に設立されました。小さな会社ではありますが、私たちは大きな可能性を信じています。私たちが提供する「植物発酵LPS」が、世の中のたくさんの人の健康に、きっと役立てるという大きな可能性です。

最後までお読みいただき、有難うございました。

かげ

自然免疫応用技研株式会社

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