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スキンケアとLPS

(2)肌免疫とLPS

外界と接する皮膚は、腸管と同じく免疫器官といっても差し支えありません。外界からの刺激が最も直接的に入る器官であるがゆえに、恒常性を維持するためのシステム(=免疫)が備わっています。ですから皮膚にはいろいろな細胞がいますが、どの細胞も、多かれ少なかれ免疫の一翼を担っています。そしてこれらの皮膚細胞の情報交換による免疫応答が、肌の健康を維持しています。

肌免疫と肌の健康

それでは、肌の美しさと免疫は関係するのでしょうか?大いに関係します。まず、古くなった細胞や老廃物を除去するのも免疫の役割です。新しい細胞が生まれるのを助けるのも免疫の役割。紫外線、熱、物理的損傷で傷ついた肌を治していくのも免疫の役割。また傷口から侵入する病原菌を排除するのも免疫の役割です。つまり、皮膚の免疫は、肌のクリアランスを高め、ターンオーバーを促進し、ヒーリングしていく働きがあり、肌の美しさと密接に関係しています。

肌免疫は肌の美しさと密接に関係

ところで、LPSは、肌免疫に働きかけます。

LPSは分子内に、皮脂に馴染む脂質を持っており、そのため皮脂のある角質層に浸透します。ただし、先に述べたように、角質層の下の顆粒層にはタイトジャンクションがあって、多くの物質はそこから下に通過できません。LPSも例外ではなく、タイトジャンクションの下には行かないと考えられます。けれども、表皮に最も多いケラチノサイトや炎症を抑制的に調節するTreg細胞は、いずれもLPSの受容体を持っていて、LPSに反応します。また角質層に樹状突起を伸ばしているランゲルハンス細胞も、マウスの実験ではLPSに応答することがわかっています。ですから、LPSはタイトジャンクションの下に行かなくても、皮膚の免疫系に働きかけることができるのです。

肌免疫とLPS

皮膚におけるLPSの生理的作用

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