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LPSの基礎知識

(10)LPSには多様性がある

LPSについて、多くの人が知っているのは、プロテオバクテリア門のγプロテオバクテリア綱のグラム陰性細菌のLPSの、体内の免疫細胞に対する作用です。下記は、いくつかのグラム陰性細菌の分類を示した表です。

グラム陰性細菌の種類とLPSの性格

細菌は門、綱、目、科、属、種と分類されていきます。誰でも知っている大腸菌、サルモネラ菌、コレラ菌は、プロテオバクテリア門のγプロテオバクテリア綱のグループです。このグループのLPSの生理活性は大体似ています。すなわちマクロファージにかけた時に、炎症性であれ炎症抑制性であれ、サイトカインを誘導する能力が極めて高いです。

しかし、同じプロテオバクテリア門でも酢酸菌のようなαプロテオバクテリア綱の細菌になると、LPSの構造が異なっており、サイトカインを誘導する能力が低くなります。

また歯周病菌(ポルフィロモナス・ジンジバリス)は、プロテオバクテリア門ではなくバクテロイデス門の細菌で、遺伝子的にかなり離れており、LPSの構造も、TLR4(LPSのレセプター)への結合力がほとんどないまでに異なっています(*1)。そのため、サイトカインを誘導する能力もほとんどありません。歯周病菌の新しい研究では、LPSではなくリポタンパク質がTLR2レセプターに結合してサイトカイン誘導をすることが明らかになっています(*2)。

もちろん、酢酸菌LPSにせよ、歯周病菌LPSにせよ、サイトカインの誘導では測れない生理活性を持っていると考えられますが、いずれにせよ、LPSといっても、十把一絡げ(じっぱひとからげ)にできない多様性があるということです。また、サイトカイン誘導能が高いLPSであっても、体内に投与された場合と、経口・経皮で投与された場合の作用は異なります。これについては、別ページで解説しています。「(11)LPSは、体内投与と経口・経皮投与で作用が異なる」

(*1)Signaling by toll-like receptor 2 and 4 agonists results in differential gene expression in murine macrophages, Infection and Immunity 69 (3): 1477-1482 (2001)
(*2)Bacteroides類縁菌LPSの化学構造と免疫生物学的活性━Porphyromonas gingivalis LPS研究を中心に━, 日本細菌学雑誌61 (4): 391-404 (2006)

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