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ひげ博士の最新免疫学講座

かげ

第56回

胎児の腸内細菌の話
(2021年9月 No.56より)

皆さん、ひげ博士じゃ。ヒトには100兆個の細菌が共生していると言われているが、胎児は無菌で生まれ、その後に細菌を身にまとうと考えられていたが、実はそうではないことはご存知かな?最近の研究から、母体の中ですでに腸内細菌が胎児の腸内に住んでいることが明らかになっているとのことなので紹介しよう。

オーストラリアの研究者らが帝王切開で分娩した50人から胎便を採取したところ、全員から細菌の遺伝子が見いだされた(1)。多くはPelomonas puraquae(2)というあまり大人の腸内細菌では見かけないグラム陰性菌が主要な菌だったということじゃ。しかし、5人は異なるパターンで、そのうちの一人はなんとパントエア・アグロメランスが主要な菌だったそうじゃ。なお、胎児期の腸内細菌は羊水の菌種とも違い、まだ由来はよくわかっていないようじゃ。

新生児期の共生細菌がその後の人生に影響する可能性も指摘されているので、胎教の一つに共生細菌のあり方が注目されるかもしれんのう。

(1) Frontiers in Microbiology 10: (2019). doi: 10.3389/fmicb.2019.01124 “The not-so-sterile womb: evidence that the human fetus Is exposed to bacteria prior to birth”
(2) Wikipedia: Pelomonas puraquae is a Gram-negative, rod-shaped, non-spore-forming bacterium from the genus Pelomonas in the family Comamonadaceae

ひげ博士

出典:特定非営利活動法人自然免疫ネットワーク発行ニュースレター

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