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ひげ博士の最新免疫学講座

かげ

第51回

筋肉マクロファージの話
(2020年6月 No.51より)

皆さん、ひげ博士じゃ。5月25日にようやく非常事態宣言が全国的に解除されたようじゃがまだまだ自粛ムードじゃのう。家に閉じこもっていると運動不足になるが、体を動かさないと筋肉のマクロファージが減ってしまうぞ。何々、そんなことがあるのかって?それでは、運動と筋肉マクロファージの研究を紹介しようかのう。米国の研究グループの報告では、普段座りがちな生活をしているボランティアに持久運動として12週間のサイクリングをしてもらい、その前後の筋肉マクロファージを評価したのじゃ。その結果、筋肉にはあるタイプのマクロファージが集まってきて、インスリン様成長因子(IGF1)や肝細胞増殖因子(HGF)などの遺伝子発現が亢進していることがわかった。その他には、抗炎症性サイトカイン(IL-4)の亢進、炎症性サイトカイン(IL-6)の抑制などが得られている。さらに、筋肉の幹細胞といえるサテライト細胞の増加、血管新生の増加なども観察されておる。一方で、強度の高い筋トレではこれらの効果が見られなかったそうじゃ(他の論文ではマクロファージが変化するという例もある)。

つまり、適度な運動は筋肉マクロファージを元気にしてくれるのじゃ。わしも、マスクでもつけて、散歩を毎日しようかのう。

*: Human skeletal muscle macrophages increase following cycle training and are associated with adaptations that may facilitate growth. Scientific Reports (2019), https://doi.org/10.1038/s41598-018-37187-1

ひげ博士

出典:特定非営利活動法人環瀬戸内自然免疫ネットワーク発行ニュースレター

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