第71回
皆さん、こんにちは!ヒゲ博士じゃ。マクロファージは体じゅうの至るところで、死んだ細胞や、老化した細胞、さらにがん細胞まで貪食し除去していることはご存知の通りじゃ。一方で、正常な細胞が貪食されないのはCD47という“食べないで! (don’t eat me)”という旗(シグナル)を出して、マクロファージから間違って食べられないようしておる。しかし、時にがん細胞はこのCD47を悪用して、自分をあたかも正常細胞のように見せかけ、マクロファージの目をごまかしておるんじゃ。まったくずる賢いやつじゃのう。
さて、今回紹介するのは、このがん細胞の回避を打ち破るLPSのすごい働きじゃ。LPSはマクロファージの貪食能を高めることが知られておる。しかし、がん細胞がCD47を発現すると貪食がブロックされてしまう。ところが、Fengらの研究1)では、LPS等でマクロファージを刺激すると、貪食能が高まるだけでなく、マクロファージの細胞表面にカルレティキュリン(CRT)という“食べて! (eat me)”シグナルを誘導し、なんとCD47の“食べるな”シグナルを乗り越えて、がん細胞の貪食に働くのじゃ!つまりLPSはマクロファージにCRTを誘導して、 “このがん細胞をやっぱり食べる!”という覚悟を決めさせる「貪食の決断(Phagocytic Commitment)」シグナルとも言える。これはマクロファージによる、がん免疫治療につながる大変興味深い発見じゃな。
Mingye Feng et al,Macrophages eat cancer cells using their own calreticulin as a guide: roles of TLR and Btk. PNAS 2015 112: 2145-50. doi: 10.1073/pnas.1424907112.
出典:特定非営利活動法人自然免疫ネットワーク発行ニュースレター
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