自然免疫応用技研株式会社

ひげ博士の最新免疫学講座

かげ

第55回

乳酸菌の役割の話
(2021年6月 No.55より)

皆さん、ひげ博士じゃ。自然免疫力を高める食材は色々あるが、皆さんご存知のヨーグルトの中の乳酸菌がなかなかおもしろい働きをしていることが大阪大学の研究報告されておるので紹介しよう(1)。乳酸菌というのは乳酸を産生する細菌の総称なので、実に沢山の種類の菌がいるのじゃが、共通しているのは乳酸を作るわけじゃ。そして、なんと、その乳酸が小腸のマクロファージの活性化を制御しているということじゃ。

大阪大学の免疫学フロンティア研究センターの研究によると、乳酸やピルビン酸が小腸のマクロファージにある一つの受容体(GPR31: Gタンパク質共役受容体)を介して情報が伝わり、マクロファージを活性化して、腸管上皮細胞の細胞間から突起を伸ばすようになるそうじゃ。そうすると小腸内の細菌などを捕まえて免疫情報を得やすくなるということじゃな。

だとするとヨーグルトなどの乳酸が多く入った発酵食品は小腸のマクロファージの突起を伸ばしているから、腸のLPSも取り込みやすくなると考えて不思議じゃないのう。ふむふむ、やっぱり、LPSとりヨーグルトとの相性は良いようじゃな。

(1) Nature 566 (7742):110-114 (2019). “GPR31-dependent dendrite protrusion of intestinal CX3CR1 + cells by bacterial metabolites”

ひげ博士

出典:特定非営利活動法人環瀬戸内自然免疫ネットワーク発行ニュースレター

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