─2019年10月21日 サンデー毎日「会社の流儀」─
河内 千恵 社長
体内の「自然免疫力」を高める効果が期待できる成分として、近年ますます注目を集める「LPS(糖脂質)」。各国の研究者たちが挙って有用性を示す論文を発表する中、世界に先駆けて植物発酵のLPSを含む食品や化粧品材料を市場に供給し、機能性素材としての研究と実用化をリードしているのが自然免疫応用技研株式会社だ。
と話すのは、LPSによって活性化する体内の自然免疫細胞「マクロファージ」を活用した健康維持の研究を30年来続けてきた河内千恵社長。2006年に設立した大学発ベンチャーの進化を牽引するとともに、LPSに対する認知と正しい理解の向上を目指している。
「まだ『自然免疫』という言葉がなかった当時、体内では感染防御のために必要な炎症を誘導するLPSは、いわば『毒』=危険という先入観を持つ人も多かった。その後、動物実験などを通じて経口摂取による有用性を示すエビデンスが集まり、LPS研究のパイオニアである私たちが『世の中に出さなければ』という強い信念でスタートしたのです」
と振り返る河内社長をはじめ、稲川裕之副社長ら大学研究室当時のメンバーが免疫学者として名高い杣(そま)源一郎・現会長のもとに再び集結。いまや「免疫ビタミン®」とも呼ばれ、現代人の食生活で不足しがちな栄養素を補うLPSを、同社は安全・安心な原料として食品、化粧品、飼料などのメーカーに提供している。
また、世界的にも類まれな研究ノウハウと豊富なエビデンスを有する同社は、LPSを原料とする製品の開発において避けて通れない存在。国内外の大学や多業種の企業などの研究開発をバックアップするとともに、バイオ系試験の受託解析サービス(特に自然免疫系評価が得意)も提供する。
10年に経済産業省の認可を得て、杣会長が代表理事を務める自然免疫制御技術研究組合を創設。先進国で急増するアレルギー疾患や感染症などの抑制に加え、最近では癌やアルツハイマー病の予防に向けてもLPSの研究が進む医療分野に事業領域を拡大すべく、創薬にもチャレンジしている。
「LPSを普及させる道程は戦いの連続。これからもオリジナリティー溢れる創意工夫と、理念に基づいて価値を創造するベンチャースピリットを忘れないで欲しいですね」
本社=香川県高松市林町2217―6 DynaxTビル2F
☎=087―867―7712
設立=2006年7月
資本金=4000万円
事業内容=「LPS(糖脂質)」の原体製造など
https://www.macrophi.co.jp
自然免疫応用技研株式会社
〒761-0301
香川県高松市林町2217-6 DynaxTビル2F
TEL:087-867-7712
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