LPSを多く含む食品は?マクロファージを活性化し免疫力を高めよう

新型ウイルス・コロナの流行で体の免疫力アップの必要性が再認識されています。マクロファージを活性化し、体の免疫力を高める働きがあるLPSは、身近な食品にも多く含むものがあるので、積極的に取り入れて、免疫機能を高めましょう。

当記事では、LPSを多く含む食品と体の免疫力を高めるメカニズムについて詳しく紹介します。

LPSはマクロファージを増やし免疫力を高めてくれる

LPSには、体の免疫を担っているマクロファージを活性化する働きがあります。マクロファージを活性化することで、細菌やウイルスに感染しにくい体になれるのです。万が一感染した場合でも、免疫力が高まっていれば回復が早まります。

マクロファージは全身の組織や臓器の広範囲に存在し、細菌やウイルスの侵入を見張っている頼もしい存在です。これら異物が体に侵入してきたら攻撃を開始。細菌やウイルスを排除して健康を守ります。

LPSがこのマクロファージを活性化できるのは、マクロファージにLPSと結びつく「TLR4」というレセプター(受容体)があるから。LPSがしっかり結びつくことでマクロファージの核にシグナルが伝わり、活性化していきます。

マクロファージー

そんなすばらしい働きをするLPS、実は私たちがいつも食べている食品に含まれています。

どういった食品に含まれているのか、次の項目で見ていきましょう。

LPSはいつも食べている食品に含まれている

LPSは細菌の構成成分の一つで、細菌類がたくさん存在する土の中にも含まれています。細菌類は落ち葉や動物の糞尿などの有機物を植物が利用できる形に変え、植物が育ちやすいように働いている大切な存在。そのため、細菌数が多ければ多いほど良い土(畑)ということで、栄養豊富な野菜や穀物が育ちます。

有機物

細菌が多いということは野菜が元気に育つだけでなく、LPSも豊富ということです

畑で採れる野菜

細菌の成分であるLPSは、細菌が存在する畑で採れる野菜に含まれています。野菜についている細菌は食べる前に洗浄して殺菌されますが、細菌の成分であるLPSは残ります。

土の中で育つ根菜類はもちろん、ほうれん草などの葉物類にも含まれています。これら野菜を摂取することで、LPSも自然に摂取できるというわけです。

畑で採れる野菜にはLPSが含む

精製していない穀類

畑で育つのは野菜だけではありません。米や麦など穀類にもLPSは含まれています。

穀類の場合、細菌類は表面にとどまるので、LPSも米や麦の外側にある糠や胚芽の部分に多く存在します。

そのため、外側の糠と胚芽を取り除いてしまう精白米では、あまりLPSを摂ることができません。糠や胚芽がまるごと残っている玄米の方が、LPSをたくさん摂れることになります

お米のLPS含有量について説明した画像

海藻類

海藻

海の中にも土があり、そこで育った海藻類にもLPSが含まれています。海藻類はミネラルが豊富でカロリーが少ない理想的な食材。LPSも豊富ということで、ますます積極的に摂りたい食品といえるでしょう。

LPSを多く含む食品

LPSが含まれている野菜、穀類、海藻類の中でも、特に多く含まれている食品を紹介します。

上位を占めるのはメカブ、わかめ

LPSを含む食品の中でも群を抜いてLPSの含有量が多いのは、海藻類のメカブ、わかめです。

メカブは粉末にした1g中、LPSが42.8μg(マイクログラム)とダントツの含有量です。ついで乾燥わかめが21.2μg。メカブはわかめの根の部分で、同じ食材です。

メカブには「フコダイン」と呼ばれる成分も含まれ、免疫力を高める効果があるとして注目を集めています。LPSとともに、ダブルの効果が期待できるでしょう。

明日葉やレンコンにも多い

野菜の中では明日葉が粉末1g中に13.8μgと、トップの含有量です。明日葉は八丈島などに自生する野菜で、通常のスーパーではあまり見かけないかもしれませんが、粉末に加工されて青汁などに多く含まれています。

また、土の中で育つ根菜類は全体的にLPSの含有量が多く、特にレンコンには豊富。LPSは皮の部分に多く含まれているので、なるべく剥かずに食べるのがおすすめです

LPSは加熱調理でも失われませんが、長時間の高温加熱で壊れやすくなります。生で食べられるものはできるだけ加熱せずそのまま食べ、加熱する場合もできるだけ短時間で調理するようにしましょう

農薬や化学肥料を使う畑にはLPSが少ない

土の中で育つ野菜や穀物類にはLPSが多いと説明しました。しかし、現代の畑で栽培された野菜や穀類に含まれるLPSの量は減っていることが問題になっています。その理由は、農薬や化学肥料の使用で細菌類が減っているからです。

農薬の使用で細菌類は死滅。また、有機物の代わりに化学肥料を使うことで細菌類はエサになる有機物を失い、自然に消滅したり種類が減ったりしていきます。

農薬た化学肥料を使う畑はLPSが少ない

細菌類が減ると病原菌や害虫が繁殖しやすくなり、植物を枯らしてしまいます。そのため、病原菌や害虫を駆除するために農薬をさらに多く使うという悪循環が生まれ、細菌類はますます居場所がなくなってしまうのです。

このように農薬や化学肥料を使った畑で育った野菜や穀類には、LPSが少ないのが実情です。現代人にアレルギーが多いのは、LPSの摂取が減ったこともひとつの原因とされています。

野菜や穀類からLPSを摂取するには、有機農法など農薬や化学肥料を減らした畑で栽培されたものを選ぶ必要があるでしょう。

海藻類は農薬や化学肥料の影響がない

現代の野菜や穀類にはLPSが少なくなっている一方、農薬や化学肥料を使わない海で育った海藻類にはLPSが十分存在しています。免疫力アップには、海藻類を多く摂ることがポイントといえるでしょう。

キノコ類やヨーグルトでも免疫力アップできる?

LPS以外にもマクロファージを活性化する成分があります。酵母やキノコに含まれるβグルカン、乳酸菌に含まれるペプチドグリカンという成分です。

LPSはマクロファージの「TLR4」というレセプターに結びつきますが、βグルカンやペプチドグリカンはそれとは別の「TLR2」というレセプターに結びついて活性化します。

そのため、キノコ類やヨーグルトを食べてもマクロファージを活性化し、免疫力を高めることができるのです。

マクロファージの活性力は低い

ヨーグルトとキノコはLPSよりもマクロファージの活性化は弱い

ただし、酵母やキノコに含まれるβグルカン、乳酸菌に含まれるペプチドグリカンという成分の活性化の力はLPSよりはるかに低めです。LPSにはβグルカンやペプチドグリカンより1000~10000倍もの活性能力があることが研究でも確認されています。

免疫力を高めるには、LPSを摂るのが効果的ということがよくわかりますね。

LPSと乳酸菌を一緒に摂るとパワーアップ

LPSと乳酸菌

LPSだけでもマクロファージを活性化する力は十分ありますが、乳酸菌も一緒に摂ることでさらに効果はパワーアップします。前の項目で説明したように、LPSと乳酸菌(ペプチドグリカン)はレセプターが異なるため、一緒に摂ることでいろいろな入り口から刺激が入り、活性化の効率を高めるのです。

健康維持に欠かせないLPSを補給しよう

LPSは土の中などに存在するため、野菜や穀物、海藻類などに豊富に含まれています。しかし、農薬などによって細菌が取り除かれるとLPSも少なくなってしまうため、近年食事から取り入れられるLPSはどんどん低下していると言われています。そのため、サプリメントを利用したり、肌への効果を期待する場合は化粧品などを利用したりするのがおすすめです。

LPS活用事例

この記事の著者
やさしいLPS編集部

食用植物に共生するパントエア菌由来の“免疫ビタミン”LPSを提供する自然免疫応用技研株式会社です。当サイトでは、自然免疫、マクロファージ、LPSに関する情報と、当社の活動をお伝えします。

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