免疫力アップにはきのこがいい?きのこに含まれる嬉しい成分や食べ方をご紹介!

きのこはローカロリーで栄養豊富なことから、美容や健康によいとされています。食べごたえもあり、さまざまな料理に取り入れられる食材の優等生でもあります。さらに近年では、免疫力アップにも効果が期待できると注目が集まっていることをご存じでしょうか?

今回はきのこに含まれる成分と免疫力アップの関係やおすすめの食べ方などを詳しく見ていきましょう。

きのこに含まれる免疫力アップ成分

きのこ2

きのこにはビタミン類をはじめ、体を健康に保ち、免疫力を高めると言われる成分が多く含まれています。その内容を順に紹介していきます。

食物繊維

食物繊維には水に溶けて便を排出しやすくする水溶性と、便のかさを増す不溶性があります。きのこにはどちらも含まれていますが、他の食物に比べると不溶性食物繊維が多いのが特徴です。

腸は免疫に関わる細胞の6割以上が存在する、人体において最大の免疫器官です。そのため、免疫力を高めるには腸内環境を整えることが必須とされています。

腸にはおよそ100兆個、数百種類の腸内細菌が存在しています。腸内細菌は、体にとって良い働きをするいわゆる善玉菌、悪い働きをするいわゆる悪玉菌、そして環境によってどちらにもなる日和見菌がいます。善玉菌2割、悪玉菌1割。日和見菌7割の比率が最もバランスがよく、腸内環境が整った状態とされています。食物繊維は善玉(有用)菌の餌となり、増殖を促すため、日和見菌も善玉菌寄りとなり、腸内環境が整って免疫力アップが期待できるのです。

βグルカン

まいたけ

βグルカンは食物繊維の一つで、シイタケやマイタケなどのきのこに多く含まれています。βグルカンには体内の感染細胞やがん細胞を攻撃するマクロファージやナチュラルキラー細胞、T細胞、キラーT細胞などの免疫細胞を活性化させる働きがあります。

また、きのこ由来のβグルカンを利用した医薬品もあります。シイタケ由来のレンチナンやマイタケ由来のグリフォラン、カワラタケ由来のクレスチンなどは、免疫療法(免疫の力でがん細胞を攻撃する治療法)にも使われています。

キノコキトサン

キノコキトサンは植物性キトサンやβグルカン、複合糖質など、きのこ由来の成分から生成される複合食物繊維です。油分を吸着し、脂肪の分解と排出を促すことで知られていますが、食物繊維と同じような働きをするため、腸内環境を整えることによる免疫力アップも期待できるとされています。

ビタミンB群

ビタミンB群はB1、B2、B6、B12など8つの栄養素の総称です。疲労回復やエネルギーなどの代謝に関わるだけでなく、皮膚の粘膜を健康に保ったり血行を促進したりして免疫力を高める働きもあります。

また、ビタミンB群はお互いの効果を高め合うという性質を持っているため、できるだけまとめて摂取することが望ましいとされています。

ビタミンD

エリンギ・しいたけ・まいたけ

体内に細菌やウイルスなどの異物が侵入すると、サイトカインというタンパク質が異物を攻撃するように命令を出します。しかし、サイトカインが過剰に生成されると、自分の体を攻撃してしまいます。ビタミンDはこのサイトカインの生成を抑制して、免疫機能を調節する働きがあります。

また、ビタミンDは皮膚や腸に存在する、タイトジャンクションと呼ばれる上皮細胞のタンパク質をコントロールしています。タイトジャンクションには外部からの異物侵入を防ぐバリア機能があり、ビタミンDの働きによって皮膚や腸を保護する機能が高まるとされています。つまり、免疫器官の要である腸を異物から保護し、健やかに保つため、免疫力アップにもつながることが期待できるのです。

ビタミンDは体内で合成できる数少ないビタミンの一つで、皮膚に存在するプロビタミンD3が紫外線を浴びることでビタミンD3(ビタミンDの一種)に変化します。しかし、これだけでは十分な量ではないため、食物から補う必要があるのです。

エルゴステロール

エルゴステロール(プロビタミンD2)は、紫外線を浴びるとビタミンD2(ビタミンDの一種)に変化する物質です。免疫力アップに欠かせないビタミンDの素であるエルゴステロールは、きのこに特に豊富に含まれています。

免疫力をより高めるきのこの食べ方

きのこはさまざまな料理に応用できる食材です。免疫力をより高める食べ方を知って、毎日の食生活に積極的に取り入れましょう。

天日干しするとビタミンDが増加する

干ししいたけ

ビタミンDの素であるエルゴステロールは、紫外線によってビタミンDに変化するため、生で食べるよりも天日干ししたものの方がよいと言われています。

特に干ししいたけは、きのこの中でもビタミンDの含有量が多いのですが、食べる前に2時間ほど天日干しするとさらにビタミンDが増えるのでおすすめです。また、天日干しによってうまみが増すのも、他の食材にはないきのこの特性です。

油で調理するとビタミンDがしっかり摂れる

ビタミンDは脂溶性(油に溶ける性質がある)のビタミンです。ビタミン類は加熱に弱いのですが、脂溶性ビタミンは残存率が70~96%と高く、油に溶けだすことで吸収も良くなるという特性があります。そのため、きのこ類を揚げ物や炒め物にするなど、油を使って調理することで、効率的にビタミンDを摂取できます。

冷凍してから調理すると栄養価がアップする

冷凍きのこ

きのこを冷凍すると、きのこが含んでいる水分が凍って細胞壁が破壊され、栄養が吸収しやすい状態になります。さらに、きのこのうまみの源であるグアニル酸は、細胞壁が壊れることで初めて出てくるため、冷凍してから調理するときのこのうまみが増すというメリットもあります。

さまざまな食材と組み合わせる

免疫力アップのために、きのこ類は毎日の食事に積極的に取り入れたいものです。ここでは特に栄養的に相性がよく、お互いの働きを高めることが期待できる食材を紹介します。

乳製品:牛乳を始めとする乳製品に含まれるカルシウムは、骨の強化や骨粗しょう症の予防に欠かせない栄養素です。ビタミンDと一緒に摂取すると吸収率が高まるので、クリームシチューにきのこ類を入れたり、チーズ焼きにしたりするのがおすすめです。

大豆:大豆に含まれるレクチン(植物由来のタンパク質)は、免疫細胞を作り出す重要な栄養素です。ただし、赤血球を固めるというよくない働きもあります。しかし、加熱によって有害性がなくなるので、きのこと一緒に炒めたりするとよいでしょう。

ごぼう:ごぼうは食物繊維が特に豊富な野菜です。腸内の善玉菌を増やしたり、腸内環境を整える働きがあるため、腸を健やかに保ち、免疫力を高めるために、きのこ類と組み合わせて積極的に摂りたい食材の一つです。

健康維持に欠かせないLPSを補給しよう

LPSは土の中などに存在するため、野菜や穀物、海藻類などに豊富に含まれています。しかし、農薬などによって細菌が取り除かれるとLPSも少なくなってしまうため、近年食事から取り入れられるLPSはどんどん低下していると言われています。そのため、サプリメントを利用したり、肌への効果を期待する場合は化粧品などを利用したりするのがおすすめです。

LPS活用事例

この記事の著者
やさしいLPS編集部

食用植物に共生するパントエア菌由来の“免疫ビタミン”LPSを提供する自然免疫応用技研株式会社です。当サイトでは、自然免疫、マクロファージ、LPSに関する情報と、当社の活動をお伝えします。

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