LPSがターンオーバーを促進するって本当?LPSの美容効果とは

LPSは、土の中などに生息する細菌(グラム陰性細菌)を構成する成分のひとつです。体を細菌やウイルスから守る免疫細胞「マクロファージ」を活性化させてくれる「免疫ビタミン」として、近年注目を集めているのですが、実はLPSには、皮膚のターンオーバーを促進する働きもあるんです。

今回は、LPSが私たちの肌にどんな良い影響をもたらしてくれるのか詳しく見ていきましょう。

LPSがターンオーバーを促進するメカニズム

私たちの皮膚には、外界の刺激から肌を守るための免疫機能が備わっており、これを「肌免疫」と呼びます。実は肌免疫は、LPSの刺激によって活性化し、肌のターンオーバーを促進してくれるのです。

ターンオーバーとは、表皮内の細胞の入れ替わりのこと。健康な肌であれば1ヶ月程度のサイクルで行われ、古い角質をどんどん排出します。

肌表面の表皮と呼ばれる層は、角質層、顆粒層、有棘層(ゆうきょくそう)、基底層の4層に分かれており、顆粒層には、細胞同士をぴったりとくっつけるバリアのような構造「タイトジャンクション」があります。細菌やウイルスなどの異物は、タイトジャンクションの下には簡単に入ることはできません。LPSもこれは同じです。

一方でLPSは、皮脂になじむ脂質構造をもっているため、皮脂のある角質層になら浸透できます。すると、タイトジャンクションの下にいるケラチノサイトや制御性T細胞、ランゲルハンス細胞といった肌免疫にかかわる細胞が、LPSに反応。LPSの刺激を受けて、肌のターンオーバーを活性化します。

これが、LPSが肌免疫に働きかけるメカニズムです。LPSは免疫力を高めて病気にかかりにくい体をつくるだけではなく、美肌までもサポートしてくれるのです。

LPSがオートファジーを促進

では、LPSが肌免疫に働きかけることでなぜターンオーバーが促されるかというと、LPSが肌のターンオーバーに深くかかわる「オートファジー」を促すからなのです。オートファジーとは、細胞内のたんぱく質を分解してリサイクルする仕組みのことです。

ケラチノサイトという細胞は、表皮の一番下で誕生し、形態を変えながら上に押し上げられ、最終的には角質となって剥がれ落ちるのですが、この形態変化はオートファジーによるものです。そのため、LPSによってオートファジーが促進されるとケラチノサイトが活性化。その結果、肌のターンオーバーが促されます

LPSには他にもさまざまな美容効果が期待できる!

LPSはほかにも、バリア機能・保湿力を高める、肌荒れ改善、炎症を抑える、ヒアルロン酸等の増加など、さまざまな美容効果をもたらしてくれます。詳しく見ていきましょう。

バリア機能・保湿力を高める

LPSの刺激によってケラチノサイト(肌表面にいる細胞)が活性化されると、フィラグリンの発現率が高まります。フィラグリンとは、肌のバリア機能を担うたんぱく質のことです。フィラグリンは、皮膚のなかでアミノ酸に分解される性質をもっており、これらアミノ酸などが天然の保湿因子となるため、肌の保湿力も高めてくれます

肌荒れ・炎症の改善

ケラチノサイトは、LPSの刺激によって一酸化窒素を出すこともわかっています。一酸化窒素は、アレルギー反応による肌の炎症や、紫外線によって肌細胞が死んでしまうことを防ぎ、傷の治りを早めます

また、肌の炎症の原因となる物質「ケモカイン」を出すランゲルハンス細胞では、LPSの刺激によってケモカインの発生率が低下。これによって、肌が炎症を起こしにくくなります。このようにLPSは、肌の免疫細胞に作用し、肌荒れの改善を促してくれるのです。

さらに、LPSは肌の炎症を抑える制御性T細胞も活性化させます。制御性T細胞は、好中球の暴走を抑えてくれる免疫細胞のひとつです。好中球は白血球の一種で、細菌やウイルスを退治してくれる一方、活性酸素を出して肌に炎症を起こすことも。そのため、LPSによって制御性T細胞が活性化されると、好中球が制御され、炎症が起きにくくなります

ヒアルロン酸等の増加

LPSの主な働きに、マクロファージ(皮膚に侵入しようとする細菌を退治する細胞)の活性化があります。肌の深い部分である真皮には、線維芽細胞というヒアルロン酸をつくる細胞がいるのですが、マクロファージは、この線維芽細胞を増やす因子を出します。線維芽細胞が増えると、ヒアルロン酸がたくさん合成されるため、肌のハリがアップしたり、シワができにくくなります

LPSの取り入れ方

LPSを取り入れるためには、LPSを多く含む食材を積極的に摂るのがおすすめです。LPSは土の中などに存在する細菌に付着している成分なので、畑で育つ野菜(特にレンコンやほうれん草など)や、海中の土から生える海藻にたくさん含まれます。また、お米の場合、精製される段階で取り除かれてしまう亜糊粉層(あこふんそう)にもLPSが含まれるため、精白米よりも玄米を選ぶと良いでしょう。

肌への美容効果をより高めたい場合は、LPS配合化粧品を使う手もあります。LPSはもともと細菌に含まれる成分ですが、肌に直接塗ってもなんら害はないことが研究でわかっています。

LPSは、皮膚内のさまざまな細胞に作用し、美肌をサポートしてくれる素晴らしい成分です。ぜひLPSを毎日の生活に取り入れ、病気にかかりにくい体と、美しい肌をつくりましょう。

LPS活用事例

LPSは土の中などに存在するため、野菜や穀物、海藻類などに豊富に含まれています。しかし、農薬などによって細菌が取り除かれるとLPSも少なくなってしまうため、近年食事から取り入れられるLPSはどんどん低下していると言われています。そのため、サプリメントを利用したり、肌への効果を期待する場合は化粧品などを利用したりするのがおすすめです。

下谷内由希奈

この記事の著者
下谷内由希奈

過去5年間、免疫療法などを扱う医療機関にクリニックコンシェルジュとして勤務。
現在は、2人の子どもを育てながら、健康や医療に関する情報を発信中。
自身も免疫系の疾患にかかった経験があるため、LPSの積極的な摂取を心がけています。
(情報提供元:自然免疫応用技研株式会社)

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