LPSには育毛効果が期待できる!育毛&頭皮環境改善に期待できるLPSの効果とは

身体の免疫力を高めてくれると言われているLPSですが、実は育毛にも効果が期待できることをご存じでしょうか?ここでは、LPSが育毛に効果をもたらすメカニズムを詳しく解説していきます。

LPSには育毛効果が期待できる!

LPSの育毛効果を実証するために、背中の毛を剃ったマウスにLPSを投与する実験を行ったところ、投与から2週間後には、発毛剤の主成分として使用されているミノキシジルには劣るものの、何も塗らない場合よりも早く毛が生えてくるという結果になりました。このことから、実際にLPSには育毛効果が期待できることが明らかになったのです。

LPSに育毛効果が期待できる理由

育毛に効果が期待できると言っても、一体LPSがどのようなメカニズムで効果をもたらしているのか気になりますよね。ここからは、LPSが育毛にどのように関係するのか、LPSに期待できるさまざまな効果を詳しく見ていきましょう。

LPSが肌の免疫に作用するから

LPSは皮脂に馴染む脂質を持っており、皮脂のある角質層に浸透します。角質層の下の顆粒層には、タイトジャンクションと呼ばれる細胞接着装置があります。タイトジャンクションにはさまざまな分子が細胞間を通過するのを防ぐ機能があるため、LPSはこれより下には行けません。

しかし、タイトジャンクションより下に存在するケラチノサイト(表皮の大部分を構成する角化細胞)、制御性T細胞、ランゲルハンス細胞などがLPSに反応するため、間接的に肌の免疫に働きかけることができるのです。

血流改善

LPSには、免疫細胞の一つであるマクロファージを活性化させる作用もあります。活性化したマクロファージは血管内の異物を死滅させて血流を改善するほか、血管新生因子(VEGF)を生産して毛細血管の数を増やします。毛細血管は肌の真皮層に張り巡らされており、発毛・育毛に必要な栄養素を頭皮に届けています

ターンオーバーを整える

表皮の細胞が全て入れ替わることをターンオーバーと呼び、健康な肌では1カ月程度で入れ替わります。また、頭皮の健康を保ち発毛・育毛しやすい環境を作るためには、頭皮の正常なターンオーバーを維持することが大切です。

先ほど説明したように、LPSにより活性化したマクロファージは毛細血管の数を増やします。毛細血管は肌の細胞分裂に必要な栄養素も届けているため、毛細血管が増えることで頭皮のターンオーバーの促進につながります。

また、ターンオーバーにはケラチノサイト(表皮細胞)の働きもとても重要です。ターンオーバーは、表皮の最下部でケラチノサイトが分化しながら上に押し上げられていき、最上部の古い垢が剥がれ落ちることによって行われます。

このようなターンオーバーが正常におこなわれるには、ケラチノサイトが分化する際におこなうオートファジー(細胞内のタンパク質を分解させる仕組み)がしっかりと機能していることが重要です。LPSには、このオートファジーを促進しケラチノサイトを活性化させる働きもあります。そのためLPSは肌のターンオーバーを促進させ、頭皮の健康を保つことで育毛への効果が期待できるのです。

炎症やアレルギーから頭皮を守る

頭皮に炎症などが起こっていると脱毛につながることもあるため、育毛のためには健やかな頭皮環境が欠かせません。LPSはバリア機能の改善や炎症・アレルギーから頭皮を守ることで、健やかな頭皮環境を作り出すサポートもしています。詳しく見ていきましょう。

バリア機能を高める

LPSがケラチノサイトを活性化させると、肌のバリア機能を高めるタンパク質「フィラグリン」が発生しやすくなります。

フィラグリンに遺伝的異常がある人は、アトピー性皮膚炎になりやすいことがわかっています。そのため、フィラグリンは頭皮を炎症から守り、肌を健やかな状態に保つために大切な成分であると言えます。

炎症を抑える

LPSには、炎症をやわらげる作用のある制御性T細胞を活性化させるはたらきがあります。活性化された制御性T細胞は活性酸素を出す好中球の活動を抑えるため、肌の炎症を鎮めることが期待できます。

さらに、LPSにはランゲルハンス細胞を活性化させるはたらきもあり、そうすると肌炎症の原因となるケモカイン(TARC)の発生が抑制されます

加えて、活性化したランゲルハンス細胞は一酸化窒素を放出します。一酸化窒素には、炎症をおこしている皮膚に表皮細胞を移動させるはたらきがあり、炎症を抑えて傷の治りを早めます。また、一酸化窒素には紫外線による細胞のダメージや接触性過敏症を抑制するとも言われています。

こうしたことから、LPSには紫外線のダメージや炎症から頭皮を守る効果が期待できます

アレルギーをおさえる

ランゲルハンス細胞の活性化によるケモカイン(TARC)の発生抑制は、アレルギーによる肌炎症を抑える効果も期待できます。

また、ヨーロッパで行われた調査によると、土や動物に多く触れて育った農村部の子どもは、そういった機会が少ない都市部の子どもと比べて花粉症や喘息などのアレルギー症状が出る頻度が低いという結果が出ています。土に多く触れているということは、土に含まれる細菌成分・LPSに触れる機会が多いことを表します。

つまりLPSにはアレルギーを抑える効果が期待でき、アレルギーによる頭皮の炎症を抑えて発毛・育毛をサポートすると言えるでしょう。

保湿力を高める

活性化されたケラチノサイトによって発生したフィラグリンは、代謝されると保湿成分(ナチュラルモイスチャリングファクター)に変わるため、肌のバリア機能を高めるだけでなく保湿力の向上も期待できます。

また、LPSは免疫細胞の一つであるマクロファージのほか、髪の毛を作り出している毛乳頭細胞も活性化させる働きがあります。活性化した毛乳頭細胞は、発毛促進因子とも呼ばれる線維芽細胞増殖因子-7(FGF-7)を産生し、線維芽細胞が増殖します。線維芽細胞は皮膚にうるおいや弾力を与えるコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などを作るはたらきがあることから、線維芽細胞が増えると保湿力が向上すると考えられています。

保湿力を高めることは頭皮を乾燥や炎症から守り、発毛・育毛しやすい環境をつくることにつながります

LPSの取り入れ方

LPSは、玄米やレンコン、めかぶ、ほうれんそうなどの土壌で育った食物に多く含まれており、食事によって簡単に取り入れることができます。

また、LPS配合ヘアケア用品も存在するため、より頭皮や育毛に効果を実感したい方は、食事だけでなくヘアケア用品からもLPSを取り入れてみてはいかがでしょうか。

LPS活用事例

LPSは土の中などに存在するため、野菜や穀物、海藻類などに豊富に含まれています。しかし、農薬などによって細菌が取り除かれるとLPSも少なくなってしまうため、近年食事から取り入れられるLPSはどんどん低下していると言われています。そのため、サプリメントを利用したり、肌への効果を期待する場合は化粧品などを利用したりするのがおすすめです。

この記事の著者
やさしいLPS編集部

食用植物に共生するパントエア菌由来の“免疫ビタミン”LPSを提供する自然免疫応用技研株式会社です。当サイトでは、自然免疫、マクロファージ、LPSに関する情報と、当社の活動をお伝えします。

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