お風呂(入浴)は免疫力アップに効果あり!でも42度だと熱すぎる!?

毎日シャワーでさっと済ませてしまう人もいるかもしれませんが、バスタブにしっかりとお湯をはり、入浴すると免疫力向上の期待ができるというのをご存知でしょうか?しかし、ただ入れば良いというわけではなく、適正な温度や入浴方法があります。この記事では、お風呂で免疫力が上がる理由や適正な温度、入浴方法についてご紹介していきます。

お風呂(入浴)で免疫力アップできる理由

入浴は免疫アップにつながる

そもそも免疫とは、体内にウイルスなどの異物が侵入してきた際にいち早く察知し、排除しようとするシステムのことを指します。なお、免疫力は、お風呂に浸かることでより高めることができると言われています。ここでは、その理由についてご紹介していきます。

体温が上がる

体温が1℃上がることで、人の免疫力は5〜6倍になると言われています。体温が上がると、毛細血管が広がることで体内の血流が良くなります。ウイルスなどと戦う白血球といった免疫細胞は、血流が良くなるほど全身への巡りが良くなるため、体温が上がることは結果的に免疫力アップに繋がります。

代謝が上がる

人間の体温を維持したり、内臓を動かしたりするなどの体の活動には、代謝(エネルギー消費)が必要となります。お風呂に入ることで体が温まったり、血行がよくなったりすることで代謝が上がるといわれています。

代謝が上がると汗をかきやすくなりますが、発汗する際には汗だけでなく、老廃物も一緒に排出することができ、リンパの流れも良くなります。リンパ(液中)には免疫細胞の一種であるリンパ球が存在しています。つまり、リンパの流れが良くなることで免疫細胞の働きが向上し、体内に侵入したウイルスや細菌をすばやく察知することができるようになるのです。

腸の活動が活発になる

腸には体内の免疫細胞の約6〜7割が存在しており、腸で免疫をコントロールしているといっても過言ではありません。つまり、腸内環境が乱れることで体調の不具合に繋がることがあるのです。

お風呂に入ると体が温まって腸の動きも活発になるため、腸内の免疫細胞も活性化され、免疫力アップにつながります。

質の高い睡眠につながる

睡眠

睡眠中に、免疫力アップにつながるメラトニンというホルモンが分泌されます。質の高い睡眠であればあるほど、メラトニンの分泌が促進されると言われているため、質の高い睡眠は免疫力アップに欠かせません。

夜に眠たくなるのは、体温が低下することが影響しており、この体温低下に必要な工程がお風呂なのです。お風呂に入り体温を一時的に上げると、その後体温は下がりやすくなります。すると体がスムーズに睡眠の準備を始め、結果的に質の良い睡眠につながります

浮力効果で疲労回復・ストレス解消になる

入浴すると浮力が発生し、人間の体の重さは本来の体重の10分の1程度に減少します。すると体が軽くなることで筋肉が緩み、緊張がほぐれてリラックスできます(浮力効果)。

免疫には体内の環境を整える自律神経という神経が密接に関係しています。自律神経は交感神経と副交感神経の二種類で構成されており、それぞれがバランスをとって存在しています。たとえば、活発に活動している時には交感神経が働き、休息のときには副交感神経が働いています。つまり、ストレスがかかり過ぎると交感神経が働き続けることで疲労が溜まってしまい、逆に、副交感神経が働くことでリンパ球が増加します。そのため、入浴でリラックスすることで副交感神経が優位になり、免疫力アップにつながるのです。

水圧効果で心肺機能が活発になる

水圧が大きくなることで肺が圧迫されると、肺は一所懸命肺に空気を入れようとするため、呼吸の回数が増加します(水圧効果)。すると心肺機能が活発になることで筋肉が緩み、血流やリンパの流れが良好になることで、免疫力アップにつながるのです。

気道の異物排出機能を正常化する

お風呂の湯気も免疫力アップのための重要なポイントとなります。ウイルスや細菌が体内に侵入しそうなとき、これらの異物を侵入させないように働くのが粘膜です。

お風呂の湯気を吸うことで、鼻腔や気管では、異物を外に排出しようとする働きを正常化させることができます。3秒鼻から息を吸い、5秒かけてゆっくりと口から息を吐き出す(腹式呼吸)ことでより効果がアップするので意識してやってみましょう。

42度のお風呂は熱すぎる!免疫力低下の可能性も

入浴している女性

42〜43度程度の熱いお湯に浸かるのが好きな人も多いでしょう。ただ、熱すぎるお湯はかえって体を活動的にさせてしまい、交感神経が興奮することで血管が収縮し、リラックスとは真逆の状態になってしまいます。さらに血管が収縮することで、血圧も20〜40程度上昇してしまうため、高血圧の人などにとっては健康な状況とは言えません。このように、熱すぎるお風呂は免疫力低下につながることもあるため注意が必要です。

お風呂で免疫力アップするための入浴法

ここからはお風呂で免疫力アップを目指す方法について具体的にご紹介します。

基本は「40度で10~15分」

免疫力アップのためには、40度の湯船に10〜15分入ることが望ましいです。温度が熱すぎる入浴は交感神経を刺激してしまうため、リラックスとは真逆の状態になり、免疫力の向上も見込めません。一方で低過ぎる温度であっても、血流を十分に改善できなかったり、体温がさほど上がらないことで、睡眠の質に影響を及ぼしたりしてしまいます

半身浴よりも全身浴

今や半身浴は効果的なダイエット方法や美容方法として認知されていますが、免疫力アップのためには、全身浴の方が良いとされています。入浴がもたらす効果として、温熱効果(体を温める効果)、浮力効果(浮力で体を浮かせ筋肉を緩ませる)、水圧効果(心肺機能の促進)についてご説明しましたが、お湯の量が減るとその分それらの効果が薄れてしまうのです。心臓に疾患があったり、呼吸機能が低下していたりするなど、特別な理由がない限りは、全身浴がおすすめです。

入浴前と後にコップ1杯の水を飲む

入浴後は水を飲む

入浴中の発汗による脱水で血液がドロドロになってしまう可能性があります。そのため、入浴前と後にコップ1杯の水を飲むようにしましょう。ただし、単に水分を摂れば良いということではありません。特に入浴後に冷たい水を飲むと体を冷やしてしまう可能性があるため、できれば常温の水を飲むようにしましょう。

お好みの入浴剤でよりリラックス

自分の好きな香りの入浴剤を使えば、よりリラックス効果が期待できるでしょう。温浴効果のあるものもおすすめです。特に無機塩類系入浴剤を使うと、ミネラルなどの塩類が肌表面のタンパク質とくっついて、体に保護膜と呼ばれるベールを作ることで、保温効果をより高めることができます。

お風呂の中でストレッチ

入浴中でストレッチをすると、じっと浸かっている時よりも早く体温が上昇し、発汗を促すことができます。また、お湯に浸かっていると筋肉も緩んでくることから、通常よりも体がひねりやすくなったり、柔らかくなったりする傾向にあります。さらに、浮力があることで関節への負担も軽減されるなど、さまざまなメリットがあります。

入浴後にクーラーなどで体を冷やさない

免疫力をアップさせるために重要なポイントの一つが体温です。入浴後、クーラーなどでせっかく温めた体を急激に冷やしてしまうと、せっかく改善した血流や、体温上昇の効果が台無しとなってしまうので注意しましょう。

温泉に入ると唾液中のIgA抗体が増加する

温泉

唾液の成分は9割が水分であり、1割に100を超える成分が含まれています。その1割に含まれている免疫において重要な役割を果たしている物質が、IgA抗体と呼ばれるものです。唾液だけでなく、腸内、涙の成分などにも存在しており、様々な種類のウイルスや細菌に反応し、体を防御する働きがあります。

温泉に入ると、お湯の蒸気が鼻腔や口腔などを刺激することで唾液の分泌量が増え、同様に唾液中のIgA抗体も増加して、免疫力アップにつながります。

炭酸泉でさらに血流アップ

炭酸泉はそこまで高温でなくとも血管を拡張し、体を効果的に温めてくれます。また、リンパ球に含まれる免疫細胞の一つであるNK細胞(ナチュラルキラー細胞・細菌やウイルスを殺傷する細胞)の活動が活発化することもわかっています。なお、自宅で炭酸ガス系の入浴剤を使うだけでも、同じような効果が得られます。

ヒートショックプロテインという概念もある!

ヒートショックプロテイン

ヒートショックプロテインとは、傷ついた細胞を治すタンパク質のことで、免疫細胞の活動を促進させる働きがあります。つまり、このヒートショックプロテインを増やせば、免疫力をアップさせることができるのです。

そして、このヒートショックプロテインを効率的に増加させるための方法が、入浴することなのです。具体的には、自分の平熱よりも1.5度高い温度まで体温を上げます。お湯の温度が40度だとすると10分程度で1度上がることが一般的です。したがって、15分程度お湯に入ったのち、しっかりと保温対策を行えば、無事ヒートショックプロテインが増加し、免疫力向上に力を貸してくれるはずです。

健康維持に欠かせないLPSを補給しよう

LPSは土の中などに存在するため、野菜や穀物、海藻類などに豊富に含まれています。しかし、農薬などによって細菌が取り除かれるとLPSも少なくなってしまうため、近年食事から取り入れられるLPSはどんどん低下していると言われています。そのため、サプリメントを利用したり、肌への効果を期待する場合は化粧品などを利用したりするのがおすすめです。

LPSとは?4コマ漫画で解説

この記事の著者
やさしいLPS編集部

食用植物に共生するパントエア菌由来の“免疫ビタミン”LPSを提供する自然免疫応用技研株式会社です。当サイトでは、自然免疫、マクロファージ、LPSに関する情報と、当社の活動をお伝えします。

arrow_upward