免疫の過剰反応とは?~代表的な過剰反応のメカニズムや症状~

免疫は、細菌やウイルスなどの「抗原」から身体を守る機能のことで、身体の中の異常に気付き正常に戻すという、身体の調子全体を整えるシステムです。

免疫の役割の一つとして、抗原が体内に侵入すると、異物を排除する役割がある「抗体」が作られ、抗原をやっつけて身体の健康を維持するというものがあります。ただ、この反応が過剰になるとさまざまな症状や疾患が引き起こされてしまいます。

ここでは、免疫の過剰反応の代表例やメカニズム、症状などを詳しくご紹介します。

免疫の過剰反応とは

人間の身体というのは、細菌やウイルスといった病気の原因となる「抗原」が体内に入ってきた時に、異物を排除するために働く「抗体」をつくり、抗原を攻撃して身体を健康な状態に守る免疫機能が備わっています。

しかし、免疫の働きに異常が起きると 、身体に害を与えない物質に対しても過剰に反応し、抗体が大量に生産されて攻撃を続けてしまいます。その結果、身体を守るはずの免疫が、逆に身体を傷つけてしまうのです。

免疫の過剰反応①アレルギー

ここからは、免疫の過剰反応であるアレルギー、サイトカインストーム、自己免疫疾患について、それぞれのメカニズムや症状などを見ていきましょう。

まず身近なアレルギー症状ですが、これも免疫の過剰反応の結果です。免疫の過剰反応によるアレルギーには4つのタイプがあり、原因となる抗体や免疫細胞の種類も異なります。

I型アレルギー

I型アレルギーは、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)から身体を守る働きがあるIgEという抗体の過剰反応が原因で起こります。

IgE抗体は、気管支の腺から出される、異物を捕まえて喉のほうに運び出す働きがある粘液の分泌を盛んにしたり、炎症を起こす作用がある「ヒスタミン」などの化学物質が詰まっている細胞の表面に付着しています。

一度アレルゲンが侵入するとIgE抗体が多量に作り出され、これがマスト細胞(肥満細胞)に結合します。その後、再度アレルゲンが侵入すると反応を起こし、ヒスタミンなどの化学物質が放出されることでアレルギー症状が現れます。

花粉症、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、アナフィラキシーショック、食物アレルギーなどが代表的な疾患です。

II型アレルギー

II型アレルギーは、細菌やウイルスを防御する作用がある抗体のIgGや、細菌やウイルスを破壊したり、破壊した菌を白血球が食べるのをサポートしたりする役割がある抗体のIgMの過剰反応が原因で起こります。

抗原がIgG抗体やIgM抗体とくっつくと、抗体の働きを補うタンパク質の「補体」が活性化されます。すると、細菌などを食べるマクロファージの作用を高める一方で、赤血球や白血球、血小板も破壊してしまいます。

自己免疫性溶血性貧血、不適合輸血、血小板減少症、薬剤アレルギー、重症筋無力症などが代表的な疾患です。

III型アレルギー

III型アレルギーは、II型アレルギーと同じように、IgGやIgMの過剰反応が原因で起こります。

IgG抗体とIgM抗体が大量に生産されると、2つの抗体が結合して「免疫複合体」が作られます。そして、細胞組織に免疫複合体が沈着すると補体が活性化されて、細菌を食べる役割がある白血球の一種の「好中球」が集まってきます。しかし好中球は免疫複合体を食べて分解することができないため、細胞組織に炎症を起こしてしまうのです。

好中球は活性酸素を産生して細菌などを殺し、体内への侵入を防いでくれますが、過剰な活性酸素の増加は、細胞にストレスを与え傷つけてしまいます。好中球が集まると活性酸素が大量に産生されるため、炎症を引き起こしてしまうのです。

糸球体腎炎、血清病、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、過敏性肺炎などが代表的な疾患です。

IV型アレルギー

IV型アレルギーは、体内に異物が入ってきた時に、抗体を作るように指示を出す役割があるT細胞や、細菌などを食べるマクロファージの過剰反応が原因で起こります。

アレルゲンが体内に侵入してT細胞が反応をすると、異物を排除する役割がある「サイトカイン」がT細胞から放出されます。そして、サイトカインがマクロファージや好中球を活性化して細胞組織に炎症を起こします

結核、肉芽腫性炎症、ツベルクリン反応、金属アレルギー、接触性皮膚炎などが代表的な疾患です。

免疫の過剰反応②サイトカインストーム

サイトカインストームは、がんや感染症などの疾患を重症化させる原因とされています。サイトカインストームでは、炎症を引き起こしてしまう「炎症性サイトカイン」が過剰に血液中に放出されています。

サイトカインには、炎症を引き起こす「炎症性サイトカイン」と、炎症を抑える「抗炎症サイトカイン」があり、通常であればバランスが取れているため、身体に不具合が起きないように保たれています。しかし、炎症性サイトカインが過剰に分泌されると、過剰な免疫反応が起こり、さまざまな炎症反応を起こして自身の細胞を傷つけてしまい、肺炎や多臓器不全につながるのです。

サイトカインストームが引き起こされる原因は明らかになっていませんが、妊婦や高齢者など、免疫力の低くなっている人が起こりやすいと言われています。

免疫の過剰反応③自己免疫疾患

自己免疫疾患は、異物を排除する役割がある免疫が正常に機能しなくなり、自分の細胞組織にも過剰に反応して攻撃をすることで起こります。

原因は完全に明らかになっていませんが、体内のタンパク質が変形して異物と認識されてしまう、タンパク質の構造が異物と似ているため誤って攻撃されてしまう、免疫機能に何らかの異常が起きている、といったケースが考えられています。全身性エリテマトーテス、関節リウマチ、膠原病などが代表的な疾患です。

LPS活用事例

LPSは土の中などに存在するため、野菜や穀物、海藻類などに豊富に含まれています。しかし、農薬などによって細菌が取り除かれるとLPSも少なくなってしまうため、近年食事から取り入れられるLPSはどんどん低下していると言われています。そのため、サプリメントを利用したり、肌への効果を期待する場合は化粧品などを利用したりするのがおすすめです。

やさしいLPS編集部

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やさしいLPS編集部

食用植物に共生するパントエア菌由来の“免疫ビタミン”LPSを提供する自然免疫応用技研株式会社です。当サイトでは、自然免疫、マクロファージ、LPSに関する情報と、当社の活動をお伝えします。

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