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LPSの基礎知識

(1)LPSの構造と機能

①構造:

LPSは、グラム陰性細菌の成分で、グラム陰性細菌の細胞壁の外側にぎっしりと埋め込まれた形で存在しています。糖と脂質が結合した構造をしているので、日本語では「糖脂質」あるいは「リポ多糖」と呼ばれ、英語では「リポポリサッカライド(Lipopolysaccharide)」、略してLPSと呼ばれます。糖部分は水溶性、脂質部分は油溶性ですから、LPSは両方に溶ける、いわゆる両親媒性の物質ですが、通常のLPSは油より水によく溶けます。

LPSの構造

②生物活性:

LPSの最も良く知られている生物活性は、、マクロファージの活性化です。マクロファージは自然免疫の中心的細胞で、体中に存在しており、細菌やウイルスから身体を守ったり、傷の修復を助けたり、新陳代謝の調節に欠かせない働きをしています。従って、マクロファージを活性化するLPSは、感染防御、創傷治癒、代謝調節の機能を高めます。

LPSは免疫細胞を活性化する

マクロファージ活性化と健康維持

③LPSが免疫細胞を活性化するしくみ:

LPSがマクロファージを活性化する仕組みは、現在ではよくわかっています。マクロファージの細胞表面には、色々な物質をキャッチするためのレセプター(受容体)が多数存在します。その中のTLR4というレセプターがLPSをキャッチするレセプターです(*1)。TLR4にLPSが結合すると、細胞内の核にまでシグナルが伝達されて、核の中の遺伝子が揺り動かされて細胞が活性化します。

LPSによるマクロファージ活性化のメカニズム

ちなみに、乳酸菌やキノコ、酵母の成分は、TLR2という別のレセプターに結合してマクロファージを活性化します。ですからヨーグルトやアガリクスもマクロファージを活性化します。ただし、同程度にマクロファージを活性化するために、ペプチドグリカンやβグルカンはLPSの1000~10000倍の量を必要としますので、LPSの活性化能の強さがわかると思います。

微生物成分によるマクロファージの活性化

マクロファージ活性化力の比較

尚、LPSなどの微生物成分によって活性化される自然免疫に関する研究は、2011年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。

(*1)Endotoxin recognition molecules, Toll-like receptor 4-MD-2, Seminars in Immunology 16: 11-16 (2004)

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