2018年1月23日19時放送の『たけしの家庭の医学〜【認知症を予防する科】最新研究で発見!認知症を引き起こす原因物質「LPS」〜LPSが増加している人が出している独特の臭いとは!?』 について

平成30年2月
自然免疫応用技研株式会社

2018年1月23日19時放送の『たけしの家庭の医学〜【認知症を予防する科】最新研究で発見!認知症を引き起こす原因物質「LPS」〜LPSが増加している人が出している独特の臭いとは!?』において紹介された内容は、LPSに対する皆様の認識を混乱させるものであったと思いますので、ここに私どもがわかる範囲での解説をさせていただきます。

 

解説(1)
『認知症を引き起こす原因物質「LPS」』という副題になっておりますが、元になっている研究からすれば、「認知症を引き起こす歯周病感染」とすべきかと思います。丁寧に説明するならば、歯周病菌が歯肉を溶かし、血流に入り込み、その結果歯周病菌の成分であるLPSが血液の中に放出されると、慢性炎症となり認知症の原因になるかもしれない、ということです。尚、歯周病菌のLPSは一般的なLPSと比べて特殊な構造で、異なる受容体を通じて作用しますので、「歯周病菌のLPS」の研究であることは、明確にすべきであったと思います。

一般的LPSは例え皮膚についても、口に入れて粘膜に触れようとも毒性はありません。唯一血流に入るときに炎症を惹起します。このことを説明せずにLPSが認知症の原因だとした本番組は、視聴者に間違った科学的知識を植えつけたのではないかと危惧します。

解説(2)
『LPSが増加している人が出している独特の臭いとは』という副題がついていますが、LPSは生物ではありませんので、それ自身が増えることはありません。また匂いもありません。この副題は、本来は、『歯周病菌が増加している人が出している独特の臭いとは』にすると自然であり、趣旨がよくわかると思います。

LPSは菌の名前ではありません。もちろん歯周病菌とイコールでもありません。LPSとは、グラム陰性菌が持っている糖脂質成分の総称です。菌の種類によって少しずつ構造が異なりますが、グラム陰性菌は土壌、食用植物、腸内、などに存在していますので、私たちは日常的にLPSに接しており、その限りにおいて人の健康を害するものではありません。

「口から入ること」、は研究の世界で言う「体の中に入ること」と同じではありません。このことは視聴者には区別しにくい概念ですから、「家庭の医学」と称するからには、両者の違いをきちんと定義した上で番組を作る必要があります。

解説(3)
LPSの一般的毒性を示す実験として、細胞毒性実験が行われておりました。少なくとも、パントエア属のLPSで直接的に細胞死が起こる例を私どもは知りません。一般的な事象でない以上、LPSの種類と濃度、どんな細胞を相手にしているのかということを示すべきでしょう。

解説(4)
5日間の歯磨き励行とハチミツ摂取の試験の前後で、血液中のLPS量が減ったというグラフが出されました。示された血液中LPSの数値(0.003〜0.004EU/mL)は、専門的に言えば検出限界以下、すなわち「ない」とする程度の値で、前後で差はないと思われます。

解説(5)
『ハチミツがLPSを減らす』について言えば、ハチミツは物理的にLPSを減らしたり除去したりする性質はありません。尚、ミツバチが草花に潜り込んで集めてくるハチミツの中にも、自然界由来のLPSが含まれています。我々が3種のハチミツを測定したところ、いずれも100EU/g以上でありました。

 

以上、私どもに対し、本番組をご覧になった多くの皆様から、ご質問がありましたので、ここにまとめて記載させていただくことといたしました。私共は、ネガティブな情報であれポジティブな情報であれ学術的な裏づけを取ることを常に心掛けております。ご不明な点がございましたら、ご連絡ください。

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